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ピュアでごめんなさい
新企画の 「ピュアでごめんなさい」
ピュアな想いや考えを持っている方をご紹介してペイフォワードしていく企画です。
株式会社ミライユの伊賀です。
今回は 「ピュアでごめんなさい」 初めてのリアル公開インタビューになります。今回お越しいただいたのは、Twitterで大人気の、ビルメン様です。
ービルメン様の自分自身をまず語る上でのエピソードなどを踏まえて自己紹介をお願いします。
ビルメン様ー改めまして東京ビルメンでございます。いま社会人12年目ぐらいで、現在は東京の某ビルメンテナンス会社に勤めております。最初から当社に勤めていたわけではなく、前職では営業をやっていました。何の営業かというと研修とか講演会の講師を紹介する営業でしたね。そこで1年半勤めた後に当社に転職し、今に至るという感じですね。
社会人になっていなければ、こういう取材も受けなかっただろうし、人前で話すことも絶対にできませんでした。仕事をすることによって自分が変われたというのがあるので、今日はせっかくいただいた機会なので、そういった部分もお話しできればと思ってます。
よろしくお願いいたします。
ーまずは会社についてお聞きしたいと思います。
ービルメン様は、普段はどんなお仕事をされていますか?
ビルメン様ーそうですね、今は人事部と総務部を兼務して本当にいろんな仕事をしてるんですけど、主な業務としては新卒の採用の責任者っていうのが大きいです。最近では採用以外の仕事も任されていて、給与システム統括、労働者派遣事業報告書の作成、法令対応の就業規則改等、恐らく社会保険の得失以外の人事関連業務に携わっています。
総務関連だと取締役会の運営、株主総会の準備、会社の重大イベントの準備等を行っています。
ーいろんな業務職種と携わっていらっしゃるんですけども、楽しいことや辛いことをエピソードを交えて教えてください。
ビルメン様ーそうですね、いいことも悪いこともつなげて話すと、実は最初から人事部だったわけではないんです。当社は東京駅周辺のビルメンテナンスをやってるんですけども、当社のキャリアスタートは複合ビルの清掃員からだったんです。入った時は 「家の掃除とか学校でも、中学まで掃除とかやってたし余裕だろう」 と思ってたんですけども、やっぱりビジネスでお金をもらう掃除ってレベルが違うんですね。
こだわるところとか、やっぱお客様のためにやるっていうそういったレベルとかですね。まずそこにびっくりしました。その中で一番つらかった部分は、僕が入った時が2012年で翌年2013年に東京に大雪が降ったんですよね。雪が降ったらお客様が転倒することもあり得るので、必ず除雪しなければならないのですが、あの日の経験は忘れられません。朝の7時からずっと雪が降っていて、巡回して雪かきをしながら歩けるスペースを作りながら・・・っていうのをやってて、止んだのが夜の9時ぐらいだったんですよ。
お客様に安心安全快適な環境をビルとして提供するっていう考え方なので、それを読み解いていくと翌日までには雪がない状況にしなきゃいけないっていうところに行き着く。だから止んでからがじゃあこの雪積もった雪全部どけようよって話になって、みんなで協力してやったんですよね。協力してやって気づいたらもう何時だっけな・・・朝の3時とか?になってたんですよ。本当に大変でもう二度とやりたくないなと思いました。
でも、終わった後に気づいたことがありました。自分も小さい時とか雪が好きで雪が降ったら 「明日遊べるな」 とかいうのもあったんですけど、積もってたはずの雪が通学する場所だけが綺麗になくなってたってことを思い出しました。これ「誰がやったのかな」って思ってたんですけど、自分が逆にそういった立場になれたんだなっていうのを感じました。
つらかったんですけれども、誰かがやらないとそういうものって片付かないし、安心とか安全とか清潔って成り立たないんだなっていうのを感じ、知らない間にそういった世間に貢献できるってこんな素晴らしい仕事はないなって思いました。
そこがエピソードとして悪かった点でもあり、良かった点でもありますかね。
ー今世間に貢献できる会社っていうふうに言われたんですけども、今現在働いている会社はどんな会社なのかなっていうのと、この会社のこれがいいなどを何かありましたら是非教えていただきたいです。
ビルメン様ーそうですね、当社の場合総合ビルメンテナンス企業でして、本当にそのビルメンテナンスって、 「掃除」 「設備」 「警備」 を総称したことなんですけども、当社はその3つを全部できる会社であるというところが強みです。ビルメンテナンス業界って2万社あるって言われてるんですが、大抵は 「掃除」 「設備」 「警備」 しかやらないというかできないんです。
うちの場合は、そのお客様のニーズに合わせて展開をしてきたっていうところが強みでして、結構特徴的なのはお客様から依頼されたビルメンテナンス以外のことでも検討してできる範囲で対応していくというか提案していくとか、そういう顧客ファーストっていうかお客様が困ってるんだったら自分たちの持ってる今持ってるノウハウを変換させてこう提供できるっていうところに強みがあると思ってます。一番そこがいいところだと、働いてつくづく思いました。
ー会社の中ではミッション・ビジョン・バリューなどがあると思いますが、ビルメン様の中で世の中に伝えたいとか広めたいキーワードなど言葉ってありますか?
ビルメン様ーそうですね、仕事をしていく上でビルメンテナンスで感じてることは、世間一般的にあのビルメンテナンスって、 「建物を維持管理して長く持たせる」 っていうそれが一般的な考え方だと思います。
正解だとは思うんですけど、自分がやっぱり現場で一生懸命汗をかいてきて、それ以外のことを広げていかないと今後業界に未来がないんじゃないかなと考えているんですよ。
私の中ではビルメンテナンスは 「空間を創り上げる」 ことだというイメージがあります。どういう意味かっていうと、我々ビルメンテナンス業界が存在しないと話題のスポットが完成しても、環境が崩れてしまえば人が集まることはないし、僕たちがそういった作業とかいろんなことを工夫してやることによって人気のスポットとして定着していく。そしてもっともっと人が集まる場所になる。そういう、人が好きになる施設を作れるのがビルメンテナンスだと思っています。
そういう環境を 「創り上げる」 これがビルメンテナンスなんだ!ってことを世間に訴求していきたいです。
ー清掃員として入社をし、今の立ち位置があると思いますが、その中で自分自身が特に意識してきたことや周りとこう比べてこれは一番頑張ってきたことなどはありますか?
ビルメン様ーそうですね、自分が意識して働いてきたことっていうのは、まずは当社に入って上司に言われて響いた言葉で 「変化なきは後退だ」 っていう言葉ですね。
これがすごく響いたんですよね。
それまでは言われたことをやっていけばこの業界って続いていくのかなと思ってたんですけど、この業界は日本に2万社以上ありますし、そういった中では当然求められるものも変わってきているので、そういった部分を敏感に察知してお客様のニーズにあった提案を常にしていくっていうのは当社に入ってから心がけています。
もう一つは、諦めずにやっぱり「やる」って言うところですかね。
継続して訴え続けることで、自分も変わりますし自分が変わることによって周りが変わってそれで会社も良くなっていくと思ってるので、この2つはすごく意識してやってますね。
ーもし今ビルメン様が下の世代に同じような形で言葉を伝えるとしたら何かあったりしますか?
ビルメン様ー何ですかね、仕事を教えてる上で心がけてるのは、もちろんその時にあった正しいやり方っていうのはその通り教えるんですけど、いつも最後に言ってることがあって、ただこれは「 現状で今最高の方法かもしれないけども別に自分の中でやっていく中で良い方法そういうものがあるんだったら、全然変えていった方がいいよ 」っていう風にはやっぱ伝えてますね。
自分で切り開く力がなければ、今だから自分の力は通用してるだけであって、時間が進めば今のやり方ってのは通用しないかもしれないので、そこは必ず言うようにしてます。
ー続いて、ビルメン様のあり方とか夢について、深掘りして聞いていきたいなと思っています。
ー仕事とは別でも問題ないんですが、大切にしている自分自身の軸みたいなのがもしありましたら教えてください。
ビルメン様ー軸ですね。「 絶対に諦めない 」これに尽きるのかなっていうのがあります。
仕事に救われたというかそういう感覚を持ってまして、本当に働く前まではもう全てが中途半端だったんですよね。何やっても一番になれないし、まぁすごい下っていうわけでもないんですけども・・・自分なりに頑張っても一番になれたりとか充実感を得ることってなかったんです。
だから、それでふさぎ込んで人と関わるのも正直苦手だった気もしたんですけども、仕事をすることですごく自分が変われたっていうのがあったので、それに仕事がそういうことを自分に対して教えてくれた。だからこそ、諦めずに自分が変わり続けるっていう意識があれば、多分どこまでもやっていけるっていう風に思ってるんです。大切にしてるあり方というか考え方はそれですね。
ー自分の中でこれだったら一番目指したいなとか取り組んでたものってあったりするんですか?
ビルメン様ー正直具体的に何かに一番になりたいって思ったことっていうのはまだなくて、一番っていうか自分がとにかくずっと変わって高めていきたいみたいなところがあります。いま当社で10年間ぐらい働かせていただいてるんですけれど、そういう部分で貢献して会社が勝ち上がり続けるような活躍をしたいっていう思いはありますね。
ー今後やってみたいこととか挑戦したいことはありますか?
ビルメン様ーそうですね、今後やっていきたいっていう思いのところで言うと、ビルメンテナンス業界もうちもそうなんですけど、建物ができたら新規が取れるか取れないかっていう業務スタイルなんですよね。毎年絶対売り上げを取れるとかそういうわけでもないし、営業を一生懸命かければ売り上げが上がるっていうのでもないんです。やめた時に人を取れればいいみたいなそういう考え方が業界にあるんですよ。
ただやっぱり今労働力不足っていうのが騒がれる中でそういうやり方ではもう通用しないと思ってますし、実際に社内の中での高齢化っていうのもかなり激しく進んでいるのがあります。
今は、自分が新卒採用を担当して7年目になるんですけど、やっと社内に認知されてきたので、あと4〜5年ぐらいかけて、新卒は会社として絶対やらなきゃダメだよねっていう・・・そういう売り上げ云々じゃなくてやっぱ会社を継続させていくためには絶対人が必要ですし、そういうのを加速させたいって思います。
あと、自分の部門の中で言うと、結構属人的な業務っていうところに頼ってきた部分がかなりあるなって思ったので、ただ自分がやってみると別に自分じゃなくてもその人じゃなくてもやればできるっていう部分がたくさんあったので、そういう業務の仕組みを作り直すというか、そういうのをして会社が継続できるような状況にしていきたいですよね。
「 全部この人に聞けば何も覚えなくても大丈夫だ 」みたいな感じに人事的業務だとなってる部分があるので、そうじゃなくて教えて自分で考えて覚えてねっていうような風土作りをしていきたいですね。
ー仕事を切り離したところで、自分自身の中でやってることは何かありますか?
ビルメン様ー継続してんのは外で走ることだけですね。もう多分高校3年・・・大学1年ぐらいからやってるんで14年やってんのかな。それ以外ないですね、その仕事に魅せられてるというか、仕事以外だったら多分何もないですね、自分の中に何も残らないです (笑)
最初はバスケットやってたんですけど、それで相当動いてて結構食べるのですごい太っちゃった時だったんですよ。これはまずいなと思って始めたのがきっかけだったんですけど、だんだん社会人になるにあたって運動する時間ってなくて、もうなんかやることが習慣になっちゃってて走んないと気が済まないみたいなそういう感覚なんですよ。
だんだん距離も伸びて基本10キロ走ってますね。何のために・・・もうそれが日常というかそういう感じでやらないとも気が済まないみたいな感じですね(笑)
ー1回10kmって月間にするとどれぐらい走ったりしてるんですか?ゆくゆくは企業対抗マラソン・・・などの出場も考えていたりしますか?
ビルメン様ー土日は絶対走るようにしてるんで、だいたい平均70キロから80キロぐらい走ってますね。マラソン大会の出場などはないですね。完全に趣味というか、ただ本当にその自分の汗を流すために走ってます。あと最近は、走ると体もすっきりし頭の中の整理もされるんで、そういうためにやってるっていうのはあるかもしれないです。
ー「就職活動の早期化」や 「インターンシップ」 について、ぜひ話したいとのことでしたのでご意見をお聞きしたいです。
ビルメン様ー新卒就活について携わったから思うことがあります。一番最初に携わったのが18卒だったんですけれども、その時やって素直に思ったのが、 「この子たちと俺は働けないな」 って思ってしまったんですよ。
あまりにも考え方が違うし、自分のために働くっていうのはもちろんあるんですけど、それ出しすぎじゃないのかなとか思ってたんですよ。ただ、やっぱり自分に課せられた任務なのに、できないっていうので諦めるの絶対嫌なんで、それでTwitterを始めたってのがありました。理解しようとしてやってみると意外と共感できる部分もあって、結局は自分の勝手な決めつけからくる大人の考え方とかが採用しづらくしているんじゃないかっていう風に最近はすごく思うようになってます。
そういった意味では早期化っていうのをすごく問題だと思っていて、早くやって早く抑えたところで人の気持ちは流動的です。結局うまくいかないことの方が多いんじゃないのかなって思ってるので、早く長くやるっていうよりかはもっと逆に遅らせた方がうまくいくんじゃないのかなって思います。1年間ぐらいあれば就職活動なんてできると思うんですよ、集中してやれば。それよりもやっぱ大学生活の中で、学業なりその自分の本当にやりたいことをやる時間をとったほうが自分もそういうのがプラスになってるといま思ってるし、その早期化っていう部分について個人的には早期化して企業も学生もやっぱやめてる子も多いですし、1回止まって逆をやってみてもいいんじゃないかなっていう思いは最近すごいありますね。
あと、インターンシップについては、これはもう極端な言い方をすると論外だと思ってます。インターンシップって文科省が出してる文章には明確に 「就業体験をさせなさい」 という風に書いてあるんですよ。
ただ新卒の求人媒体に書いてあるものについては、グループワークとか就活お役立ち講座とか全然関係ないことばかり書いてあって、それに参加すればなんかボーナスじゃないですけどインセンティブがつくとか・・・もうちょっと自分の中では何を言ってるのかなって思います。若い人を騙してどうにかしたいのかなっていう・・・結局は自分たちが早く接触して早く採用するためのものになってると思います。本来はボランティア精神でいろんな仕事があるんだっていうのを、 「採用する、しない抜きにして体験させてもらう・させてあげる」 っていうのが趣旨だと思ってるんで、そうじゃないインターンシップを加速させるっていう事について疑義を感じますね。
だからそれはもう絶対やめたほうがいいなって思います。名前変えるんだったらいいですけど今インターンシップ以外ないのでそれを加速させるっていうのもちょっと違うなっていう風にもう強く思ってますね。
ーインターンシップっていう名前を変えるっていうワードがちょっと響いたんですけど、なんて名前変えますか?
ビルメン様ー今の総合的にやってる感じだと何ですかね。企業と学生の接触座談会とか・・・まあ思いつかないんですけど。なんかそういうもっとライトで軽い言葉にしないとダメだなっていうところまでは考えてます。ちょっと言葉が思いつかないです、すいません (笑)
ー最後になるんですけども、夢について最後に語っていただいてこのインタビューの方を終えたいと思います。
ビルメン様ー自分の夢っていうところでは、本当に仕事についたことによってどんどん自分が変わることができてるっていうのを実感してるので、 「何になりたい」 とか 「こういう風にしたい」 とかいうの決めずに、上限を設けずに、ただひたすら自分が辞める日が来るまで、どこまでやれるかっていうのをやり続けるっていうのが今の夢ですかね。
あとは、 「会社に拾ってもらった」 っていう風に僕は感謝してるので、そういった部分で会社を盛り上げていきたいです。あとはやっぱ業界が勘違いされちゃってる部分があるので、新卒の人たちが働く最初の業界であるようなそういうことを、せっかく今Twitterとかもやってるのでそれも何かこうやれたらいいなっていうふうに思ってます。
いま思っているのは、学生にはインターンシップは必要なくてむしろインターンシップが必要なのは社会人だと思ってるんです。本当にありがたいことに結構いろんな経営者の方々と会う機会があるので、そこでこう無理のない範囲でちょっとそのインターンシップを自分がして、自分で自分を高めていきたいなっていう計画はしてますね。社内ではできないことを他で体験して、それを社内に持って帰るって言うことをしていきたいっていう思いはあります。
【プロフィール】
東京ビルメン
新卒で講演会等の企画会社に入社。営業職として1年半従事する。営業は好きだったが社長のトップダウンに違和感を強くなり退職。現職にアルバイトの清掃員として入社。3か月後に正社員登用され、入社4年間で清掃の資格を全て取得し人事部へ異動。以降、新卒採用を中心に管理部門の様々な業務に従事し現在に至る。2020年より学生の趣向を知るため、見る専でTwitterを始める。ある時から「スタバ行かずにスタバなう投稿」で注目されるように。「創り上げる=ビルメンテナンス」これを広めるために活動中。