目次
僕らは会社のビジョンとして『選択肢』を重視しています。
今まで僕らは『選択肢がない人たちにキャリアを提供する事業』であったり、『世の中に必要不可欠だけど、将来の選択肢が失われそうな業界を支援する』ことだったり、『正社員になったことない若い人たちの支援』だったり『物流業界とかタクシー業界の支援』などをやってきました。
なぜ熊本を選んだのか
ーミライユがやりたいコンセプトに、熊本が合っているのではないかと提案をもらった
具体的にお名前を出すと、Twitterで「地域創生をやりたい」というような発信をしたときに、株式会社ブレイクの小川さんから「だったら熊本に一緒に行きましょう!来てください!」というお話をいただきました。
小川さんは、僕らより先に熊本で事業をされていたので、僕らがやりたいコンセプトに熊本がドンピシャなんじゃないかと考え呼んでくださったという経緯があります。
ー熊本県内で働きたいのに、県外に出てしまう現状
初めて行ったのは、2023年の3月ですね。
その時に小川さんにアテンドいただいて、熊本県庁の企業誘致課の方とお話をして、「熊本県の学生が7割近く県外就職をしている」と聞きました。
それ自体もすごく課題であるなとは思ったんですけど、心を動かされたのはその県外就職をしてしまう若い人たちのうち7割以上が「いい仕事があれば、魅力的な会社があれば、実は熊本県内で仕事をしたい」と。
そういったアンケートがあるんだというお話をされていました。
ー熊本で一日過ごして感じた、熊本県民の郷土愛。
1日過ごしてみて熊本県の方の郷土愛だったりとか土地としての魅力だったりとか文化とかあまり体験したことがないようなその魅力を1日で感じることができました。くまモンの格好をして電車に乗ったり、観光したりしてたんですよね。
そのくまモンでそのお土産屋さんに行って、そこの店員さんに「くまモンさん、くまモンさん!」って声かけられて、「なんでくまモンの格好をして今いらっしゃるんですか?どっから来たんですか?」って聞かれたんです。
そこで「東京から来ました。熊本県の魅力を知りたくていろんな話を聞く中ですごく熊本はいい土地だったので、くまモンを着てます。」と話したらその店員さんたちが結構意外なリアクションをしたんですよ。
このリアクションは後でお話しするんですが、もう一つあって、僕が電車にくまモンで一人で乗ったんですよね。
その時に20代の男女2人組が僕の横に立っていて、同じように「なんでくまモン着てるんですかって?YouTuberですか?」って聞かれたんですよ。
僕はその時「一応会社をやっていて、熊本県の魅力を知って今後新しい、熊本県をよくするような事業を立ち上げようと思ってます。」みたいな話を10分ぐらいしました。
先ほどの売店の店員さんと、20代の若い男女、そしてそれ以外も何名か熊本の方々とこういったお話をした時のリアクションとして言っていただいた言葉がめちゃくちゃ特徴的だったんですよ。
ー「熊本県に興味を持ってくれてありがとうございます。」の一言に心打たれた。
「熊本県に興味を持ってくれてありがとうございます。」という言葉をもらいました。
この言葉、すごく衝撃でした。
僕は京都出身なんですけど、例えば観光客の方が来てくれたり、他の県外の方が京都で事業を立ち上げると聞いてその方を把握をしたとしても、「京都に好きになってくれてありがとうございます!」っていう感情、あまりないんですよ、正直。
その時の「熊本を好きになってくれてありがとうございます。」っていう一言って、そんなにこの人たち地元のこと好きなんだなと感じた特徴的なフレーズで、それがもう熊本から帰る時にずっと心に残ってます。
だけど、こんなに若い人も含めて熊本が好きなのに県外に就職してるんですよね。
理由は「魅力的な仕事がないから」。
つまり、選択肢がないってことですよね。
だったら自分たちで作りに行こうぜって思って、そこから熊本で事業することが決まりました。
熊本でやりたい2つのこと
ー熊本県の人たちで、雇用を地産地消したい
それが3月の初回の話で、今回(2023年6月8日)に熊本へ行ったのは、具体的にやる事業をいくつか決めるためです。
僕らとしては2つ、熊本県でやりたいことがあります。
1つが、起業家の育成をして熊本県の若い人たちが自分たちで会社を作って、自分たちでその郷土愛がある人たちが力をつけて、自分たちで雇用を生み出す世界。これを作りたいなっていうのが、僕の最終的な理想形態です。
それは、今僕の中では「熊本県の人たちで、雇用を地産地消する。」、これをテーマに事業をやっていこうかなと思ってます。
ー熊本の魅力的な企業を支援したい
もう1つが、すでにある熊本の魅力的な企業の力をもっと上げていこう、みたいな。
多分すごくいい商品を持ってたり、魅力的なサービスを持っているにも関わらず、その認知がされていなかったりとか、人手不足であまり事業が伸びてなかったりとか。
そういった企業さんの支援みたいなものをやりたいと思ってるんですよ。
なのでその2つですね、「今ある企業をよくする」「新しく企業を作っていく」。
熊本県の人たちでやっていくことを僕らが支えるみたいな。これをやろうと思ってい
ます。
Twitterの発信から3ヶ月で大きなムーブメントが起きた
ー商工中金さんからプレゼンの機会をもらった
ミライユが東京で事業をしているときに、商工中金さんという政府系の金融機関さんと事業提携をしているので、そこからビジネスマッチングで企業さんの紹介をしていただくことが多いんですよね。
なので今回も、「熊本に進出する」っていうのを商工中金さんに話し、熊本にも支店があるので「ぜひ熊本県のいい企業さんを僕らが支援したいので紹介してほしい」と、伝えました。
営業担当の方が十数名熊本支店にはいらっしゃるんですけど、支店長と営業担当の方全員に対して、僕らのビジョンと今後どういうふうな世界を熊本で描いているかをプレゼンする機会をいただき、6月8日に行ってきた感じですね。
ー「熊本へようこそ」と歓迎してくれる熊本県の方々
そこでもやっぱり熊本県って、僕らみたいな部外者がプレゼンをしたとしても「いいですね」と「ぜひ手伝ってほしいです」と、熊本へようこそ!みたいな感じが伝わったので嬉しかったです。
今までいろんな事業をやってきて、商工中金さんと3年前に既存事業を手伝ってもらうために業務提携をしてたんですけど、今回熊本の新しい事業の立ち上げをするって商工中金さんからしたら何言ってんのって話ですよね、起業家を養成するんだとか突然言い出して。
でも、僕らが描いているビジョンと商工中金さんが描いているビジョンってめちゃくちゃ近いんですよ。
そこに共感をいただいて、「じゃあそれ熊本でもやりましょう」って言っていただいたのがすごく嬉しかったのと、責任を感じましたね。
僕が一番最初にTwitterで「地域創生したいんです」って言い出したのが3月で、今が6月。
約3ヶ月の間でふとした発言が「いろんな人を巻き込んでもうやろう」っていうこの大きなムーブメントみたいなのが起きたのは思った以上で、ちょっと僕もビビってますね、さすがに。
強い郷土愛があるのに、県外へ出ていってしまう危機感を持っていた
ー熊本県の何がそこまで郷土愛を産んでいるのか
それがまだわからないんですよね。
ただいろんな人に聞いてみたら、熊本ってそもそも新しいものをすごく好むっていうお国柄らしいんですよ。
そういった新しい、外のものを受け入れていくみたいな文化があって、例えばコンビニや飲食やレトルト商品、そういったテストマーケティングをする時に東京でやるんじゃなくて、まず熊本でやるんですよ。
『そこで成功したら全国でも成功する』みたいなマーケティングデータがあって、これ元々知ってはいたんですけどいざ行った時にそういうことかってわかったんですよね。
だから、おそらく歴史から来る昔から脈々と続いている、そういった新しいものを試して自分たちの文化に昇華していくみたいなものが、彼らの中にあるっていうことですよね。
あとは、すごくいろんな方と話してて聞くのは、『危機感』ですね。
ー本当は残りたいのに、熊本に残る前提を持っていない若者たち
今まで3回熊本に行って、若い人から高齢者の方から県庁の方からそこで働くビジネスマンの方、学生・・・いろんな属性の方と話しましたが、みんなおっしゃってたのは「このままだとやばい」ですね。
この近く人口で言うと九州の中で2番目に多い。福岡県の次に多い。
でも、そういったたくさんの魅力的な場所とか人がいるにも関わらずどんどん外に人が抜けてしまっていて、若い人はもう熊本に残るという前提を持ってない人が多かったですね。
外に出ようと思う。本当は残りたいけど、「東京か大阪か福岡か名古屋どこにしよう・・・」と言ってる人が多かったですね。
ー危機感はあるけど解決方法を見出せていない現状
それに対して、周りの大人たちも多分危機感を持っているんですけど、じゃあどうやって解決するのっていうのをみんな持っていないんです。
それが、もしかしたら僕らのような外の企業のに対してでも、助けを求める文化というか新しいものを求めるっていう文化が外の会社であっても、もしそこが正しい価値観があるんだったら一緒にやっていこう、みたいな・・・なんかそういう複雑に絡み合った県民性と今の危機感そういうものすごく感じました。
それをちゃんと発信するっていうのは偉いなって思うんですよね。
なかなか言わないと思うんですよ。
危機感があったとしても、なんだかそういったものに人とか土地とか文化とかに触れちゃうもうその瞬間に魅了されちゃう街です。
ミライユで熊本の課題を解決したいと思った
ー熊本の魅力に熊本県民が気づいていない
もう一つ面白いのは、熊本の人がそれに気づいてないことです。
ある学生さんと話をしましたが僕がとわーって「熊本いっすよね」っていう話をしたんですが、「そうなんですね」って言うんですよ。
外に出てないので自分たちの魅力を理解してないんです。
もう一つ言ってたのが、そのように外の人から言われることが多いので、自分も一度外に就職をしてみて熊本の魅力を理解して、最終的には熊本で何かをやっていきたい、と。
そういう若い子がいるんだと分かり、結構それも衝撃でした。
なので僕らのミッションがもしあるとしたら、もしかしたら外の情報とか熊本の魅力自体を熊本の人にわかってもらうみたいな。プラスそこで『自分たちで解決していく力を支援する』みたいなものをみんなでやっていきたいなとは本気で思ってますね。
ーやらずして後悔するんだったらやりたい。解決できるんじゃないかと本気で思った。
話を聞いておしまいは嫌なんですよね。
なんか困っている人がいたら助けなきゃやだみたいなそういった高尚な話ではなくて、そこにすごく魅力的なものがあって解決したら面白いビジョンも見えているのに、ここの回答方法に気づいてないと。
みんなが困っている、「もしかしたら自分たちだったら解決できんじゃないの?」って本気でそう思っています。
なので、自分が頭の中に描いている熊本県の解決ストーリーを頭の中だけでずっとモヤモヤするのは僕は嫌なので、だったらもう1回やろうぜと。
やらずして後悔するんだったら、やる。やって後悔した経験ってほぼなくて、それはもう性格上かもしれないですね。
それを1ヶ月2ヶ月検討しても過去の経験上、最初の意思決定取ろうとした選択肢から変化したことが僕の人生上ないので、最初に「やろうかな」って思ったら即答でやるって言ってしまうことを決めています。
6月8日、プレゼンした時の熊本の方の反応
ー「実現できたらいいですね」「綺麗事ですよね」の2つのリアクションをもらった
2回目に熊本に行ったときの反応、面白かったですよ。
思ってたようなリアクションじゃなかったです、正直。
2つ言われたことがあります。
1つが「それ本当に実現できたらめちゃくちゃいいですね」と。
雇用の地産地消というテーマも既存の企業をより良くしていくというコンセプトも僕らがやろうとしていること自体の世界観はとてもいいですよね、と。
これは自信あったんですよ。
もう1つ言われました。
「それってでも綺麗事ですよね」。
これが久しぶりに言われた言葉でした。
ー起業当初から“ピュア”を貫いてきたミライユ
僕らは起業して今9年半ぐらいの会社ですが、起業した当初からビジョンがとか綺麗事を貫くとかピュアな価値観をそのまま貫いていくと言い続けてきた会社なので、何の実績もない時からそれを言ってきたんですよね。
そうすると、やっぱり僕らが支援しようとしている業界とか領域ってすごく今困っている人たちが多いので、ある種今のこの悪い状況に対して諦めを持っている人が多いんですよ。
そこに外から何も実績もない人間が「あなたたちを助けたいと思います!」って言っても、イメージとしては「嬉しいけど無理だよ」「それ、わかんないから言うんだよ」そういう綺麗事っていうようなリアクションを9年10年くらい前はすごく言われたんですよね。
ー9年前ではイライラした言葉、今はそれを聞いてウキウキした
当時はそういった言葉にイライラしていたんですよね。
「そんなことだから変わらないんだよ」と、そういう感情を持ってました。
当時の感じで言うと「そんなことだからダメなんですよ。僕らが何とかするから今契約していただかないと後悔しますよ。」みたいな、すごく偉そうに尖った営業をしてたんですよ。
でも、自分の中ではそこに正しくビジョンを描いてる自信とやりきる時間、自信もあったんでそう言ってました。
今回、9年ぶりぐらいに同じ言葉を言われた時、全くイライラしなかったんですよ。
一緒に同行した関根というものはイライラしてたんですよ、初めて投げかけられた言葉だったから。
僕は何回も投げかけられ続けて、今回久しぶりに言われたので「新しい土地で何かを始めるって、そういうことだよね。」と、思いました。
僕らは都内では100人ぐらいの会社で比較的ニッチな業界では多少の知名度はあったとしても、熊本県の人からしたらよくわかんないベンチャーの社長が乗り込んできて、「お前らの都道府県よくしてやるぜ!」っていきなり言う人なので、それはこのリアクションだよねっていう感覚と、あとはちょっとウキウキしましたね。
来た来たこれね、と。このリアクションきましたね、と。
当時、イライラしてた9年前の感情がなかったのは、業界とかやることは違えどやる方向性とか考え方は多分一緒だからだと思います。
実際にやってきたというこの9年間の自負が、多分その言葉を投げられたとしても、「そのセリフ数年経ったら『ありがとうございました。』に変換してやるぜ。」と思いました。
ー9年経って、言葉の返し方も変化し、反省もした。
その時に返した言葉は「見とけよ。」みたいな話ではなくて「分かります、不安ですよね。そらそうです。そんな他所から来たものがこんな言葉を言っても確かに説得力はないかもしれない。でも本気でやれると思うから手伝ってほしい。」と返すことができたんですよね。
だから、ちょっと思ってた気がしました。
自分たちが東京でちょっとやってきた自負があったので、熊本行っても受け入れてもらえるって安易に行ったんですけど、そらね郷土愛が強いというのは逆に言うと外の人たちを自分たちと違うものってもしかしたら思ってるかもしれない。
なので、僕らが熊本に「やっぱ行かないといけないな」って思ったのは、この土地とかその人たちの考え方とかやっぱりリモートワークではわからないライブ感みたいなものがあって、その地域を知るためには住まないといけないし、その人たちの言葉とか空気感を感じてビジネスを組み立てていかないといけない。
それを安易に考えて「地産地消」みたいな言葉を使ってたのは結構反省をしましたね。
気持ちが伝わって一緒にやっていけることになった瞬間が嬉しかった
ー熊本県の人と一緒に、熊本県をよくしたい
最初は多分警戒をされてたんですよ。
イメージで言うと外部から自分たちの聖域みたいなものを荒らして、スクラップ&ビルドみたいな・・・破壊してクリエイトしていくみたいな、そういう立場のような扱い方をされたんじゃないかなって気がしたんですよね。
その手伝ってほしいっていう言葉とセットで、今の自分たちでできることはこういうことでできないことはこういうことで、正直あなたたちの力を貸してもらわないと僕らのビジョンは多分完成しないんだ、と。
プレゼンを十数人の前にしてたんですけども、今の僕らを等身大の僕らの弱さみたいなものを全部露呈した時に最初はちょっとみんな緊張感を持ってこっちを見てたのが、その話をした瞬間に分かりやすく頷いていただいたんですよね。
僕らが潰して作り上げるんじゃなくて、ミライユが熊本をよくしたいんじゃなくて、熊本県の人と熊本県をよくしたい。
他の企業と全部一緒にフル協力体制で良くしていくんだ。できるならば僕らがそのセンターに立って音頭をとってやっていきたいんだ、みたいな話をさせていただいた時に「やっぱやりましょう。」って言っていただきましたね。
セミナー終わった後に一人一人名刺交換させていただいたんですけど、みんな「こういう会社はどうですか」とか必ず質問をしてくれたのでそれはすごい嬉しかったですよね。
ー選択肢や力の引き上げを早急にやりたい
今、熊本でやろうと思っていることが2つあります。
1つ目が、まず若い人たちの選択肢とか力の引き上げ。
それをやらないといけないので早急に熊本に行って若い人たちが今どんなスキルを欲しいと思っているのか、そして熊本県の既存の企業がどんな若い人たちを採用したいと思ってるのか。
そこをちゃんと感じて、僕らの会社の『教育プログラム』を作って、若い人たちを複数名熊本県で雇用をして力をつける。
というこれを早急にやりたいです。
ー熊本県の魅力的な企業をもっとたくさん知りたい
2つ目は、熊本県の魅力的な企業をもっとたくさん知りたいんですよ。
知らない会社はもちろんあるんですけど東京にいると全く遭遇したことないビジネスもいっぱいあるんですよね。
例えばですけど、熊本県って熊本市熊本城がある一番の街中があってそこはもう若い人がみんな集まるような街で。都心みたいな。本当に東京都のど真ん中ぐらいのビルがあって複合施設があるみたいなところです。
そこから1時間車で山側に走ると、皆さんが知ってる阿蘇山があったり、一方で別方向に走ると川が流れてて渓流釣りができたり、釣った魚焼いて食べれます!みたいなものがあったり。
海側に行くと、イルカを見れるようなそういったツアーがあったり、他にも実は遊園地みたいなものがあったり、メロンのテーマパークがあったり、土地はすっごい広いんですけどもなんか海もあって山もあって街もあって・・・
そういったものが、東京だとないわけですよね。
小川を使ったビジネスとか、馬を使って・・・とか!
ミッションは「5年間で起業家を100名作る」。まずは熊本の企業のことをもっと理解したい
ー今年いっぱいは熊本県の企業さんを知ることから
なので、まだまだ知らないことがすごくたくさんあるので、僕らがまだ理解できてないビジネスや、企業さんにとにかくたくさん接点を持って、熊本県の企業さんが抱えているその課題感っていうのを知りたいです。
今年いっぱいはたくさんの企業を訪問して、理解をしたいです。
その中で一体僕らは「どんな会社に対して貢献をしていくべきなのか。」それが分かった時に、「じゃあこの若い人採用しましょう!」って言えるようにするために、今この瞬間からスキル形成をできるような環境っていうのをもう今すぐにでも始めていきたいんですよね。
ー市区町村を跨いでお互いのビジネスを伸ばしていくような取り組みを考えている
イルカのビジネスとか、いわゆる観光業が面白いですね。魚釣るっていうビジネスとか。これってそれぞれ熊本市じゃない市がやっているわけです。
熊本県の中にも熊本市の課題があったり、天草市の課題があったり、それぞれの市区町村で課題が違ったりするんですよ。
この事業をやりたいというよりは、もう少し市を跨いで連携をしたりしたいです。
熊本県とか熊本市みたいな大きな括りでは、僕ら外の人たちに対しての支援制度もすごく整っているんですけど、よくよく聞いてみて課題だなと思ったのは『市区町村レベルでの横の事業連携』とか、そこにチャンスがあるんじゃないかなと思っているんですよね。
これって、多分どこの市区町村でも起きていて、隣の市区町村って仲間でもある一方ライバルでもあるので、そこの連携って実は取りにくかったりするんじゃないかなという仮説があります。
いろんな企業をここから知っていくのであれば、うまくその企業さんの持っている魅力とかアセットとかを交換しながら、顧客交換ノウハウ交換みたいなものをしながらお互いのビジネスを伸ばしていくような。そういったことを今は考えてますね。
ー起業家を100人作りながらそこで雇用を生み出す。そんな会社を5年で作りたい
少なくとも必要なのは5年ですね。
既存の企業をよくするみたいな話であれば、おそらく2年間とか3年間ぐらいでできると思うんですが、その理想が『起業家の育成』なのでそうなると『スキルの形成』『キャリアの教育』もちろん企業のそういった『ノウハウとかスキルの共有』。
しっかりと起業家として会社が立ち上がる流れを考えると、『5年間で起業家を100名作る』っていうのをミッションにしてるんですが、ちゃんと雇用を生み出せる会社を作るっていう話だと、5年ぐらいはかかるんじゃないかなとは思っています。
なので、ミッションとして掲げているのは、起業家を100人作りながらそこで雇用を何人埋めるかみたいな、今僕の方で定義をしていて、それは一応5年間で、そこでさらに1000人ぐらいの雇用を埋めるようなそんなビジョンを今考えてますね。
育成をする中で何か特に意識していくことなどはあんまりないんじゃないかなと思っています。
その人それぞれ個性とか価値観に違いがあるように、もしビジネスをやることが誰を助けるんだを定義してそれをやっていくことと言い換えるんだったら助けたい人って多分人それぞれだと思うんですよね。
実家が漁業だったらそういうものやりたいって言うかもしれないし、個人事業主の商店の方だったらそれを救いたいっていうかもしれない。
そういったものを僕が若い人に対して講義とか授業をしていく中で、自分の原体験って一体何なのか、どんなことを人生かけてやりたいのかっていうのを聞きたいです。
ー自分がなぜやるのかを理解し、社会貢献ができる起業家を育成したい
起業することがゴールじゃないので、その人たちの人生の中でどんなことをやっていくべきかも、5年間かけて彼らに伝えていって見出すみたいなことを僕はやりたいです。
5年経った時に、熊本の若い人ってちゃんと自分のこと理解してて自分の選択肢を自分で意思決定していくよね、みたいなことをやりたいんですよね。
なので、安易にお金儲けができるから負けみたいなそういった起業家ではなくて、しっかりと社会貢献ができ、それをなんで自分がやろうとしてるのかを理解している。そんな起業家を責任持って育成したいなとは思ってます。
起業家育成の場所は別にこだわってないんですよ。
大学で授業とかをやりたいなと思ってますけど、それ以外にも起業家が集まるようなカフェとかを作りたいなとも思ってます。
あと予備校みたいな感じでそういったもの学びたい人と、すでに東京や大阪とかいろんな都道府県から熊本県で事業をやられてる方ってすごくいるので、そういったよその経営者の方と共同でセミナーやってみたりとかなんかそういった場を作っていきたいなと。
いろんな接点の持ち方ができるんじゃないかなとは思っています。
ーお金だけを支援するスタイルに疑問を感じる
エンジェル投資って言ったら社会性がありそうなんですけど、僕はお金だけ出すおじさんとかは“悪”だと思っているんですよね。
せっかく若くて思いがある若い人に対して一丁上がったおっさんがお金を出して、口を出してやらせる、みたいなことが最近すごく多くて・・・。
結局それって、もう1回起業するのちょっと嫌だから若い子にお金出してやらせるかみたいな。ちょっと語弊ありますけどそういうのが多い気がしてるんですよ。
結局若い人たちがやりたいことはできなくてお金を出されてしまって株を取られてしまって、プレッシャーをかけられて、疲弊していって、辛くなってやめちゃったりとか。
それは大人の責任だと思います。
もう一つがお金を出してしまうから、お金を出してもらうこの1円の価値をわからずに起業してしまう若い子がすごく多いのではないかと思います。
そうなったら、自分で稼いでない元手を使って何か事業をやることと自分で貯金して貯めてその身銭で事業を作ったり人を雇用したり、その価値観って僕旧世代の起業家っぽいですけど、絶対的に違うと思ってるんですよ。
なので、お金を出してもらうことは否定はしないですけど、その意味とか株を渡しちゃうリスクとか、自分の思いで自分の責任ですべてをやっていく覚悟とか人を雇用する責任とか、かっこよくはないんですよ、起業って別に。
ファッション起業家みたいな人を生み出したくないですね。
ー正しく想いを繋いでいくのが世の中への恩返し
今僕は38歳で、上の世代の人たちから引き継いだ起業家の精神みたいなものって、僕の中ではあるイメージです。
今の時代に合わせて、正しく、その思いみたいなものをつないでいくのが世の中に対しての僕の恩返しだと思っています。
ただ起業家を増やしてビジネスをやりたいというよりは、次世代に残っていく思いをつないでいけるような起業家の育成みたいなができたら、なんか僕はそれをライフワークとしてずっとできるんじゃないかなと思ってるんですよね。
熊本県に行く社員に伝えたいこと
ー自分なりに何かを作り上げていってほしい
実際に熊本県に行く社員がいますが、僕がやりたいことを全部伝えてしまうと、それはもう作業者ですよね。
あまり実は多くをその本人には語ってないです。
僕はあくまで3回熊本に行っただけで、仮説で全てを話しているので、多分正解じゃないんですよ。
ここから行く人たちは、現地の人たちと話して文化を感じて多分そこで情報としてそんなことがあるんだとか、いい意味で裏切られたりとか、そういう経験をして自分なりに何かを作り上げていってほしいんですよね。
ーミライユの社員には熊本で事業をできることをラッキーと思ってほしい
実際に熊本に行くのはミライユの社員ですけど、もう熊本に行った瞬間に一人の社長と変わらないと思います。
しかも、会社の今までのお取引先とかいろんなものを駆使しながら、強くてニューゲームみたいな形で自由にできる社長なので、一つ言えることがあったとしたら、プレッシャーは感じると思うんですけど「ラッキー」だと思ってやってほしいですね。
僕が20代だったら羨ましいですねラッキーって思います。
ある種気楽に、でも本気でそれやってほしいなと思います。