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ピュアでごめんなさい
新企画の「ピュアでごめんなさい」
ピュアな想いや考えを持っている方をご紹介してペイフォワードしていく企画です。
株式会社ミライユの三神です。
今回ご登場いただくのは、シンクインク株式会社 代表取締役の平井 裕様(以下平井さん)です。平井さんに今の考え、会社の未来、想いの丈をお聞きしていきたいと思います!本日はよろしくお願いします。
平井さんーよろしくお願いします
ーはじめに、平井さんについてエピソードなど交えて教えてください
平井さんー同志社大学商学部を卒業した後、大手都市銀行に就職しました。そこでは中小企業への法人営業等を始めとして、融資業務、オーナーへの事業承継対策やプライベートバンキング業務、M&Aアドバイザリー業務等、お金に関する業務を幅広く経験させてもらいました。
その後はものづくり企業へ転職し、責任者として社内規程やルールの整備、日常業務の仕組み作りに従事しました。2社目で経験を積んでいく中で、バックオフィス業務も強みとしている企業を増やしていきたいという想いを持ち始めたことをきっかけに、2022年2月にシンクインクを設立しました。当社では、「バックオフィスの働き方を変える」ことを使命として業務に取り組んでいます。自らルールをつくりたい、新しい働き方を想像したい、自分で考えて行動するという組織をつくるために、考えて組織というキーワードを元に業務を行っています。
ー独立を決意して会社を設立するまでは、具体的にはどのようなプロセスを歩んだんですか?
平井さんーそうですね。まずはオフィスワークのイロハを学びました。具体的には、YouTubeや講座を活用してエクセルの使い方などの実務的な部分に関して勉強を重ねました。最初は基本的な関数から始めて、最終的にはマクロなどについて二ヶ月間くらいかけて学びました。その二か月間で学んだことにプラスして、前職で身に着けたことを活かして会社を経営しています。
ー会社を立ち上げた後に苦労したエピソードがありましたら教えてください!
平井さんー実は、決定的に苦労したエピソードってないんですよね・・・。
ただ、一人目のお客様をつくることには苦労しましたね。前職の人脈を持って独立したわけではないので、会社を立ち上げた後はゼロベースからコツコツと準備を進めました。「いつお客様を獲得できるかな」という不安は確かにありましたが、想いの強さが私の原動力なので、やると決めた以上、歩みを止めることはありません。「なんとかなる!」というスタンスでがむしゃらに動き続けた結果、自然と結果がついてきました。一社目のお客様をつくるという最初の壁を超えた後は売上も伸びていき、広告宣伝費への投資なども始めるなど、スムーズに進んでいきました。さらに会社全体としてブーストをかけていく部分は今現在ぶつかっている壁ですね。
ー会社を立ち上げた後、印象に残っているハッピーな出来事はありますか?
平井さんー初めてお客様が契約してくれた時は嬉しかったですね。他にも、Twitter経由でDMをくれた方がうちのファンになってくれたタイミングとか。0から1から生み出せたタイミングは嬉しいですね。
0から1を生み出すというと新規営業に強いイメージがあるかもしれませんが、別にそういうわけではないんです。会社を設立したばかりの頃は会社としての信用力も実績もなかったので、会社 対 会社のB to Bビジネスでは闘えませんでした。そこで、何らかの課題を抱えているお客様の情報を持っているエージェントさんをターゲットにして、私自身のスキルを売り込むかたちで営業活動を行いました。最近はフリーランス向けのエージェントサービスがたくさんあるので、私自身のスキルを「選ばれる」ように営業をすることで、最初のお客様を獲得することができました。
ー平井さん的に「こういう人は信頼できるな」と思う営業マンの特徴などはありますか?
平井さんー商談中にビジネスライクなことを言わない人が好きですね。自分自身が営業マンだった時からそうなんですけど、お客様のためにならないことは「ためにならないですよ」と正直に言っていました。会社的にはあまり言わない方が良いことも、「独り言だと思って聞いてほしいんですけど・・・」という前振りをして話したりしていました。
言い換えると、一人間として信頼できる人と言えるでしょうか。物を売り込みたいという気持ちが前面に出ていたり、営業感が強すぎる人が発する言葉はあまり響かないですね。会社のことを詳しく調べてきてくれるなど、「好き」という気持ちを行動で見せてくれる人が好きですね。
ー平井さんが大切にしている初心について教えてください!
平井さんー「お客様のために」というスタンスを大切にしています。どんなポジションにいたとしても、決しておごらない人で在り続けたいですね。
コンサルの会社を経営していて思うのですが、コンサルってどうしても偉そうなイメージがあるじゃないですか。私自身も前職でコンサル会社に仕事を頼む機会があったのですが、担当がめちゃくちゃ偉そうで腹を立てたこともありました。お互い対等な関係なので、たとえコンサルという立場であってもお客様と同じ目線に立つことが大切だと思っています。社会人になって最初に始めた仕事は銀行員だったんですが、銀行員っていわば金融のプロなんですよね。だからといって、上から目線でお客様に接すると受け入れてもらえるわけがないんです。だからこそ、相手と同じ目線に立ってコミュニケーションを交わすことを大切にしています。
あとは、「常に学び続けること」も私が大切にしている初心です。ある程度知識が身に着いたとしてもゴールがあるわけではないので、時間とお金というコストを投資して学び続けることはこれからも大切にしたいですね。
ーTwitterで「変化を恐れずに前向きに進める人が成長していける」というツイートを拝見したのですが、平井さんの中で変化を恐れた経験はありますか?
平井さんー基本的に変化は怖がりませんが、「面倒くさいな」と思うことはあります。
私は趣味の一環としてテニススクールに通っているんですが、通うテニススクールの切り替えがめちゃくちゃ腰が重たかったですね。というのも最近、元々住んでいた大阪から神戸に引っ越したんですよ。大阪に住んでいた当時から近場のテニススクールにずっと通っていて、神戸に引っ越した後も大阪のテニススクールにしばらく通っていました。テニススクールの環境にも慣れていましたし、メンバーとも仲良くなったので、環境を変えることがめちゃくちゃ面倒くさかったんですよね。移動時間込みで、テニススクールに通うためだけに半日つぶしていました。で、重たい腰を上げて今年4月から神戸のテニススクールに変えたんですが、めちゃくちゃ楽になりました。小さなことではありますが、私の場合は日常生活の中で変化を面倒くさいなと感じる場合がありますね。
ーこちらもネットで拝見したのですが、「情熱は理屈を凌駕する」という座右の銘について教えてください!
平井さんー私は感情で動く人間なので、決断に迷うことはありません。選択する瞬間よりも、選択した上でどのように行動するかが大切だと思っています。
理屈だけで言えば、やらない方が良い方って世の中にはたくさんあると思います。たとえば新しいビジネスもそうですよね。だけど、これまで世の中を確かに変えたビジネスの多くは、理屈ではなく情熱で生まれたものだと思います。
リクルートがインディードを買収した時もそうだという話を聞いたことがあります。役員会の場でインディードの買収に賛成した人はほとんどいなかったそうですが、限りなく少数の人が失敗したら首を切られる覚悟でインディードの買収を決定したそうです。結果的に、今やインディードを知らない人がいないくらい世の中に浸透していますよね。そのようなエピソードをふまえても、何かを大きく変えるエネルギーとなりうるものは理屈ではなく情熱だと思っています。
ー平井様が目指す今後のビジョン、目標について教えてください!
平井さんーより多くのお客様の業務を効率化させ、バックオフィスの働き方をよりよいものへ変えていくこと。これが当社のビジョンです。
これまでバックオフィスで働いている多くの方々は、従来のやり方、決められたルールに沿って業務を行うことを会社から求められてきました。これまで0を1にしたり、自分で考えて行動することを求められてこなかった方々が多いので、何かを変えようという考え自体が生まれにくいという課題が存在します。しかし、今はAI等が発達していて様々な業務が自動化されてきているので、人の手でしか介在できない部分にフォーカスしていく必要があります。
これから市場価値が高まる人材は、従来のやり方、ルールに則って業務を遂行するだけの人材ではありません。これまでのやり方に自らメスを入れて課題を洗い出し、仕組みを設計できるような「考えて動ける」人材です。それはバックオフィスでも言えることです。そのような人材が集まった組織は強いと思います。
真に考える組織をつくるためには、スキルと成功体験が必要です。言うのは簡単なんですけど、十分な体験を重ねるためにはある程度スキルが必要になってきます。しかし、日常業務を進める中で何を学べばいいのか分からない人が多いんですよね。そこで、当社は業務改善のコンサルティングを一つの手段としてお客様に提供します。具体的には、従業員が日々行っている業務を全て洗い出して、「こうしたら楽になるんじゃないか?」という新しいやり方を提案し、作業の効率化を図ります。
エクセルやパワポの使い方等、ノウハウ的な部分はYouTubeなどの動画でもたくさん勉強できますが、あれはあくまで教科書なんですよね。実際に現場へ業務を落とし込んだ時、「この業務はやりにくいな」「もっと効率化できないかな」という課題が必ず生まれます。そこにメスを入れるのは、人にしかできないことだと思います。
ーバックオフィスで働く方々は転職理由として「スキルアップ」を選ばないという一説を見たのですが、その背景について教えてください。
平井さんーそうですね。その一番の理由は、そもそも業務を行うためのツールが存在するからです。
たとえば、A社でマネーフォワードを活用していた経理職の人材が、freeeを導入しているB社に転職したとします。その場合、A社で培ったマネーフォワードの使用スキル・経験値はB社では活かすことができないですよね。転職した先で全く別のツールを使っていた場合はスキルが連続しない。これが、バックオフィスで働く方々が転職理由としてスキルアップを掲げない一番の理由だと思います。
しかし、頭を使って行動することはたとえ業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のポータブルスキルです。当社は、このポータブルスキルを身に着けるためのお手伝いをしています。ポータブルスキルを身に着けた後は、同じ会社で働き続ける道、フリーランスとして独立する道、様々な選択肢が選べるようにしたいですね。
どのような環境に身を置いても、環境やツールに左右されずに「楽」に業務遂行できるスキルを持ったバックオフィスのプロフェッショナル集団をつくる。これが当社が掲げるシンクインク=考える組織の由来であり、存在意義です。
ー色々なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!平井さんのように変化を恐れず前向きに進むことで成長チャンスを掴むべく、私もがんばります!
平井さん、本日はありがとうございました!
【プロフィール】
平井 裕
シンクインク株式会社代表取締役
同志社大学商学部を卒業。大手都市銀行にて中小企業への法人営業、融資業務、オーナーへの事業承継対策やプライベートバンキング業務、M&Aアドバイザリー業務を担当し、ものづくり企業へ転職。
取締役経営管理部長及びIPO準備の責任者として、社内規程やルールの整備、日常業務の仕組み作りに従事。その経験を基に、バックオフィス業務も強みとしている企業を増やすべく、2022年2月にシンクインク株式会社を設立し、代表取締役に就任。社名の由来でもある「考える組織」をキーワードに、バックオフィスの組織とそこで働く人の価値を高めるため、コンサルティング活動を行う。